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電気工事士の一人親方として年収を上げるには、単価交渉・受注多角化・信頼構築の3つが柱になる。
この記事では、18年の現場経験をもとに「具体的に何をすれば月収が変わるか」を解説する。
なぜ電気工事士の一人親方は年収が上がりにくいのか
多くの一人親方が「仕事量を増やしても年収が伸びない」と感じている。
原因は単純だ。単価が固定されたまま、時間だけを切り売りしているからだ。
1日あたりの労働時間に上限がある以上、単価を上げなければ年収の天井は変わらない。
2026年現在、電気工事士の一人親方の平均年収は約450〜550万円とされている。
しかし、手を打っている人は700万〜900万円台に届く。
差は「技術力の差」だけではない。
交渉・営業・信頼の積み上げ方の差が年収を左右している。
また、電気工事士一人親方の単価相場(作業種別ごとの日当・時間給の目安)を把握せずに動いている人も多い。
まず自分の単価が市場水準に比べて低いかどうかを確認することが第一歩だ。
軸①:単価交渉で年収を底上げする
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交渉が怖い人がまずやるべきこと
18年の経験から言うと、単価交渉を一度もしたことがない一人親方は非常に多い。
「言いにくい」「関係が壊れそう」という不安は理解できる。
だが、元請けは「言ってこなければ現状維持」で動く。
まず準備するのは「根拠のある数字」だ。
例えば、以下のように伝える。
「現在の単価は1日2万8,000円ですが、燃料費と材料費の上昇で実質の手取りが3年前より月3万円ほど減っています。
3万2,000円に改定していただけないでしょうか。同等の工事で他社の単価は3万〜3万5,000円が相場です。」
感情ではなく、数字と市場相場で話すことがポイントだ。
交渉のタイミングは「繁忙期前」か「大きな案件を納めた直後」が効きやすい。
資格取得で単価の交渉力を上げる
資格は「交渉の武器」になる。
電気技術者試験センター(公式)が認定する第一種電気工事士の保有者は、需要が高い高圧工事にも対応できる。
高圧工事の日当相場は3万5,000〜4万5,000円。
低圧工事の2万5,000〜3万円と比較すると、1日あたり約1万円の差になる。
月20日稼働なら年間で約120〜240万円の差だ。
認定電気工事従事者・第二種電気工事士のみで動いている人は、まず第一種の取得を目標にしてほしい。
インボイス登録が単価交渉に影響する
2026年現在、インボイス未登録の一人親方は元請けから「値引き要求」を受けやすい状況が続いている。
登録しているだけで交渉の土台が変わる。
詳細は電気工事士一人親方のインボイス対応方法(適格請求書発行事業者への登録)で確認してほしい。
軸②:受注を多角化して収入源を増やす
1社依存は最大のリスク
実際に私が現場で見てきた中で、収入が不安定な一人親方の9割は「1社から仕事をもらうだけ」だった。
元請けの経営状況が変わった瞬間、仕事がゼロになる。
収入源を複数持つことが年収安定の基本だ。
具体的には以下の3ルートを意識してほしい。
収入の3ルート構成(推奨)
- 元請け・下請けからの通常仕事:売上の60〜70%
- マッチングサービスからの直受け:売上の20〜30%
- 個人・法人からの直接依頼(紹介):売上の10〜20%
マッチングサービスを活用した直受けの実態
マッチングサービスを使うと、中間マージンを省いた単価で受注できる。
例えば、下請けで1日2万8,000円の案件が、直受けでは4万〜4万5,000円になることがある。
同じ作業量で年収が約30〜40%変わる計算だ。
どのマッチングサービスが使いやすいかは、電気工事士一人親方が安定して仕事を受注する方法(マッチングサービス活用)で詳しく解説している。
施工範囲を広げて単価を上げる
「電気だけ」から「EV充電設備の設置対応」「太陽光パネルの電気工事」に対応できると、1件あたりの単価が跳ね上がる。
EV充電設備の設置は1件5万〜15万円。
通常の電気工事と組み合わせて受注できる。
また、外注仲間と協力することで受注の幅が広がる。
独立した電気工事士が仲間・外注を活用して仕事を拡大させる方法も参考にしてほしい。
軸③:信頼構築が長期収入を決める
「また頼みたい」と思われる職人の共通点
18年の経験から言うと、仕事が途切れない一人親方には明確な共通点がある。
技術力は当然として、それ以上に「連絡が早い」「約束を守る」「書類が正確」の3点が際立っている。
電話・LINEの返信は1時間以内を徹底する。
「折り返しが遅い職人」というレッテルが貼られると、次の発注が来なくなる。
実際に私が現場で確認した話では、元請けが下請けを選ぶ基準の第1位は「レスポンスの速さ」だった。
書類管理が信頼を作る
請求書・工事写真・安全書類の提出が遅い職人は、元請けの評価が下がる。
工事完了後3日以内に請求書を提出することを習慣にしてほしい。
現場入場に必要な書類が整っているかどうかも重要だ。
一人親方が現場に入場するための条件と必要書類(建設キャリアアップとの関係)を事前に確認しておこう。
SNS・ポートフォリオで信頼を可視化する
2026年現在、個人でSNSや施工実績ページを持つ電気工事士が増えている。
Instagram・X(旧Twitter)に施工写真を月3〜5件投稿するだけで、半年後に問い合わせが来るケースがある。
費用はゼロ。
始めるのが早ければ早いほど有利だ。
経費の見直しで実質年収を上げる
年収を上げる方法は「収入を増やす」だけではない。
経費を正しく使えば、課税所得を下げて手取りを増やせる。
電気工事士の一人親方が見落としやすい経費には以下がある。
| 経費項目 | 目安金額(年間) | 注意点 |
|---|---|---|
| 車両費・ガソリン代 | 30〜60万円 | 按分比率を記録する |
| 工具・消耗品 | 10〜30万円 | 10万円以上は減価償却 |
| 通信費(スマホ) | 6〜12万円 | 仕事用比率で按分 |
| 小規模企業共済 | 最大84万円 | 全額所得控除 |
経費の詳細については電気工事士一人親方の確定申告で経費になるものと節税の方法を参照してほしい。
年収700万円を目指す1年間のロードマップ
現状:年収500万円の一人親方が700万円を目指す場合
- 1〜3ヶ月目:単価交渉で日当を2,000〜5,000円引き上げる(月5〜10万円UP)
- 4〜6ヶ月目:マッチングサービスで直受けを月3件確保(月10〜15万円UP)
- 7〜9ヶ月目:EV充電・太陽光など単価の高い案件を受注開始(月10〜20万円UP)
- 10〜12ヶ月目:SNS・紹介経由の問い合わせ獲得(月5〜10万円のベース形成)
合計で年間160〜200万円の増収が現実的に見える。
ただし、収入が増える一方で、国土交通省 建設業一人親方問題検討会が指摘するように、一人親方の働き方には社会保険や労災の課題もある。
収入を増やしながら、リスク管理も並行して行うことが重要だ。
よくある質問(FAQ)
Q. 一人親方として単価交渉するベストなタイミングはいつですか?
A. 繁忙期前(年明けや梅雨明け前)か、大きな工事を無事に納品した直後が効果的です。元請けが「この職人に頼みたい」と感じているタイミングに合わせることで、交渉が通りやすくなります。感情論ではなく、燃料費・資材費の上昇などの数字を根拠に交渉してください。
Q. 電気工事士の一人親方が年収700万円を超えるのは現実的ですか?
A. 現実的です。第一種電気工事士の資格保有・直受け案件の確保・EV充電設備などの高単価工事への対応を組み合わせることで、月収55〜60万円以上は十分に狙えます。1社依存から脱却し、収入ルートを3本以上にすることがカギです。
Q. マッチングサービスを使うと手数料で利益が減りませんか?
A. サービスによって異なりますが、手数料は受注金額の10〜15%程度が多いです。ただし、下請けの中間マージン(20〜30%)と比べると、マッチングサービス経由の方が手取りは高くなるケースが多いです。月3〜5件をマッチング経由で確保できれば、年間50〜100万円の増収につながります。
Q. SNSで施工写真を投稿するだけで本当に仕事につながりますか?
A. つながります。ただし即効性はなく、継続して6ヶ月〜1年が目安です。Instagram・Xに月4〜6件の施工写真を投稿し、「エリア名+電気工事」のハッシュタグを活用すると、個人・法人からの問い合わせが増えます。直受け案件になれば単価が1.5〜2倍になることもあります。
Q. 一人親方を続けながら収入を増やすには限界がありますか?
A. 1人でできる作業量に物理的な上限はあります。その上限を突破するには、外注や仲間との協力体制を作ることが現実的です。また、施工そのものではなく「見積もり・管理」に回ることで、1人でも売上1,000万円以上を目指す一人親方も存在します。廃業を検討するほど追い詰められる前に、電気工事士一人親方が廃業する際の手続きと注意事項も知っておくと判断の幅が広がります。
✍️ 著者プロフィール
電気工事士歴18年。大阪を中心に年間200件以上の電気工事を担当。第一種電気工事士・認定電気工事従事者の資格保有。現場で得た実体験をもとに、電気工事に関する情報を発信しています。
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